「最悪だ」。吉川佳一はサイアクだ。いやサイアクじゃなくてサイアークだ。正しくは「psyarkというハンドルネームで活動している」だ。
彼を知ったのは、なんでもサクッと作ってしまうすごいプログラマがいるという噂からだった。会ってみると、実に飄々として愛想もいい。しかし、何かを隠してる感じだ。
エキソニモ「なんでpsyarkなんですか?」
吉川「日本人に意味だけわかって、外人に読みだけわかる名前がいいと思って。外人にチャットでYou are psyarkって言われたい」
エ「けっこうトリッキーだねー」
吉「人を小馬鹿にしてる訳ではないけど、ちょっとヒネッたいたずらですね」
エ「小学生の時は何して遊んでた?」
吉「ゲームですね。これは生涯通じてずっとなんですが、ゲームが好きなんですよ」
エ「どうやってライフは補充してるの?」
吉「とりあえずカレーは飲み物です。あとペヤング。あれは全体魔法なんですよ」
エ「どういう意味?」
吉「食べた周りの人が、においにやられて食べたくなってしまうでしょ」
エ「敵は?」
吉「スパゲッティモンスターです」・・・・・・(以下略)。
彼が所属するBOW(http://b-o-w.jp/)は、“DeskTopLive”というイベントで“ライブコーディングバトル”つまりその場でプログラミングをしてバトルする企画を行っている。MCとかDJがバトルするのはよく聞くけど、プログラマは新鮮だ。
制限時間内でコーディングし、観客の反響で勝敗が決まる。
エ「やっぱりスピードに、こだわりがあったりするんですか?」
吉「僕自身はスピードが売りのプログラマじゃないんですよ。むしろ脳みそのメモリが少ないので、短いコードしか入らないから、コンパクトなだけです」そんな風に謙遜するが、第1回目のDeskTopLiveでは主催者側代表として参戦し、40分の間にAS3で3Dのデモを完成させ、優勝した。その際には“コーディングするとリアルタイムに実行画面が更新される自作のエディタ”を作ってきて、プログラムを書く様子までエンターテイメントしてしまっていた。
吉「頭のCPUを使いたくないのでコンピュータにやらせてる感じですね」
なんかヘンなこと考えてるヤツだな、という感じがしたので、今回のview-sourceのアイデアを相談してみた。
エ「今回のページ構成、どうすればいいと思う? いいネタあります? 実はけっこう短いコードしか載せられないので、吉川さん向きだと思うんですよね」
吉「イチオシなのは、これですね」
と言って見せてきたのは、Wonderfl※上でソースコードを実行すると、さらにソースコードを入力するエディタが出てくるものだった。エディタinエディタの入れ子構造だ。
エ「いや、なんか凄いけど、コード量多いし、短いのないですか?」
吉「それなら、12行で書けるLifeGameってのがありますよ。ConvolutionFilterを裏技的に使うんですよ」
エ「それいいね! 何かテキストをLifeGameに喰わせて、崩れていくショットを使うとか」
吉「面白いですね。どんな画像でも対応するので、いろいろできると思いますよ。さっそくテストして送ります」
と言うわけで、今回はWonderfl上で作ったAS3のプロジェクトをblogパーツ的にHTMLに貼り付けてのview-sourceと相成りました。つまり、入れ子状態。かなりトリッ
キー!! さらにWonderfl上の各ページに飛んでいくと、そのソースの中にもこの連載が続いているので、どんどん掘っていくように!!!
※Wonderfl ・・・・ ActionScript3のソースコードを入力すると、即座に画面上で実行できる。さらにコミュニティ機能を備え、人のソースをFORK(コピーして改変)したり
共有したりできるWebサービス。まさに、画面の上で“view-source”が行われている状態。Kayac制作。http://wonderfl.net/
吉川佳一 2004年より Webプログラマとして活動を開始、Flash/ActionScriptを中心に制作を行っている。2008年10月よりBOWを結成。主にWeb上で活動することが多いが、時折“パフォーマーがデスクトップ上のネタでパフォーマンスするイベント”「DeskTopLive」を主催している。 http://twitter.com/psyark http://b-o-w.jp/
エキソニモ 千房けん輔と赤岩やえのアートユニット。 最近の活動は、●iPhoneアプリ「FragMental Sotrm for iPhone」 http://exonemo.com/FMS/iPhone/ ●展示「ゴットは、存在する。」@ICC(11/28〜2/28)http://www.ntticc.or.jp/Exhibition/2009/Openspace2009/GotExists/index_j.html